雨がふる季節なので苔を撮影に【マクロ撮影】
今年は雨が多くて鬱陶しいのですが、外に出かけた時少し足元を見ると雨が多い時だからこその景色が広がっています。
今回はそんな光景をマクロ撮影で写してみます。
■マクロ撮影とは
簡単なマクロの説明
その前にマクロの簡単な説明をします。
マクロレンズ→被写体までのピントが初めて合わさる距離が近く大きく写せるのが特徴です
大雑把にですが、どれだけ被写体に寄って大きく写せるかって能力の事ですかね
マクロレンズ
(レンズ)接(被写体)
【被写体が写せるようになる距離が超近い】
※望遠マクロもあって望遠マクロレンズは被写体まで少し離れる(望遠にしては超近い)けど大きく写る
(30mmf2.8※35mm換算60mmf2.8マクロ)
普通のレンズ
普通のレンズは
(レンズ)接接接接接接接(被写体)
【被写体が写せるようになるまでちょっと遠い】
※普通の望遠レンズだと被写体写せるまで更に遠く小さく写る
(14mm- 35mmf2.8※35mm換算24mmf2.8)
上と同じ苔を写してるけどマクロレンズと普通のレンズはこんなに違う。
コンデジのマクロモード
レンズ交換式じゃないコンパクトデジカメには便利なマクロモードが有ります。
チューリップのマークと山のマークの奴ですね。
マクロモード(チューリップ)にするとかなり近づいて撮影出来ます。
(DMC-FZ1000※35mm換算65mmf3.5マクロモード)
FZ1000はコンデジと呼ぶにはでかいカメラですがかなり使える奴。
■色んな種類の苔
小さな場所でも少し見渡すだけで色んな種類の苔が生えています。それらを少し紹介してみましょう。
今回は手軽にうちの庭での撮影
黒苔
マクロの所で説明した苔ですが、岩の上やブロック塀など日当たりがよく乾燥する場所でも大丈夫な苔です。
普段乾燥している時は下の写真のように葉をすぼめて黒くなってますが、雨がふると葉が開き緑色になります
黒くこんもりとした可愛い苔です。あんまり触るとポロっと全部落ちてしまうので観て愛でるだけにしておきましょう。
ハイ苔と鎖ゴケ
明るい黄緑色に広がってるのがハイ苔
地面や岩の上を這うからハイ苔
日の当たる場所でも見えますが乾燥した場所よりある程度の湿度を好みます
写真の中央部分が白く剥げてますが、ここにカビが発生して禿げてしまってました。
ハイ苔の下に見える半透明のエメラルドグリーンの苔が鎖ゴケ
中央部分を見ると上からハイ苔が被り込んで太陽の奪おうとしてるのに反撃してハイ苔の上に鎖ゴケが身体を伸ばそうとしていて激しい生存競争してます
スナ苔
スナ苔は砂地を好み、日当たりの良い乾燥した場所でも平気で育ちます。
写真は掃除をした時バラバラになったスナ苔の破片
銀苔
銀苔も非常に乾燥した場所に強い苔です。
下だけでなくブロック塀に目を移してみましょう。
ブロック塀の上部の薄い緑色を拡大してみると銀苔の世界が広がってます。
蜘蛛の巣が張って小さな生態系がこんな場所にも有るのが解ります。
苔の先の方が白くなって全体で見ると銀色に見えるのでギンゴケと呼ばれる。
少し斜めから見ると白くなった先っぽの下に新しい芽が産まれてます。
■地衣類
苔に似てるけど苔じゃなく、菌類と藻類が共生した別の物です。
苔との見分け方は雨上がりでも瑞々しさが無くモワッとした粉っぽい色をしてます。
■その他
木の上にも着く苔
地面だけじゃなく木の上も見てみると苔が居ます。
写真は古くなった松の木に着いた苔です。
木が古くなってくると皮に苔や地衣類が付着して風格が出てきますね。
シダ類
苔のある所には羊歯も良く生えてます。
龍の髭
日本庭園によく使われている草です。
地下茎で広がって緑の絨毯のようになる美しい草で石と良く合う
。
生存競争
領土の境目
地形
地面を雨粒が打って少しずつ削れていく中、地面に出てきた木の根が傘になって真下の土を残し地形を作っていく。
上の木の葉を伝ってしずくが落ちて下の土を掘っていき、地形が生まれてる。
よく見るとその地形に苔がびっしりと生えて小さな森ができている。
■終わりに
普段あまり観ることの無い世界を拡大して覗いてみると、自然の仕組みの複雑さや美しさもさるとこながら、肉眼では気が付かなかった汚れや虫、枯れて腐っていく苔の姿も見えたり、苔を採取するときのムカデとのエンカウント率の高さとか。
本当に小さな世界なのにキレイな物や汚く危ない物が混在としてて、実に芳醇な世界が足元に広がってるのを感じさせてくれる楽しい撮影でした。
手軽なコンデジやスマホでもマクロ撮影できるので雨上がりの日に持ち出してみるのも楽しいですね。
撮影
M.ZUIKO DIGITAL ED 75mm F1.8
LUMIX G X VARIO 12-35mm/F2.8
LUMIX G MACRO 30mm/F2.8