「歴史を感じる場所」 #地元発見伝 アート瀬戸内開催中の大島へ渡って動画を作ったのでその歴史背景を解説をしてみる
はじめに
自分の作った動画の意味を解説するとかダサいことですが、この映像は淡々と作られていてそのまま見たのでは正直つまんないし、映像見ただけで解るような派手な事もしたくない癖に解かんないとか言われるのも癪なのでこのブログで解説してみます。
アート瀬戸内で渡った大島で感じた気持ちをできるだけ明るい映像で淡々とした映像作品を作りました。
大島(高松)
この島にはハンセン病療養所の大島青松園があり、平性8年にらい予防法が廃止され島との移動が許されて渡ることができるようになっています。
現在は瀬戸内国際芸術祭で島内にアート作品が展示され現在開催されているアート瀬戸内のイベントの日に渡ることができる。
※らい病について
「医療や病気への理解が乏しい時代に、その外見や感染への恐怖心などから、患者への過剰な差別が生じた時に使われた呼称であること」ウイキペディア出典
映像解説
00:07高松港桟橋 https://www.youtube.com/watch?v=ZaRfc0N8pUg#t=00m07s
映像右が世界的に有名なアート施設のある直島行きの船着場で大勢の人達が船を待って並んでいる。それに対して映像左側が大島行きの船着場。誰も並んでおらず作業をする人だけが居るこの対比。
映像最初の段階であえてこのカットから作りました。
ついでですが、初めてAdobe After Effects CCを使用して船着場看板の横に動画の揺れと一緒に動くOoshima・Naoshima/Syoudoshimaのロゴを入れてます
00:27納骨堂 https://www.youtube.com/watch?v=ZaRfc0N8pUg#t=27
らい予防法が廃止されるまで隔離政策によって、ハンセン病患者は一度この島に入ると一生外へ出ることはできず、また亡くなった後の遺骨になってからも、多くはハンセン病への差別の大きさから故郷の墓にすら帰る場所が無く、施設の中に作られた納骨堂に収められてきた歴史がある。
映像ではアート瀬戸内に合わせて来島したボランティアの人が花をいける様子が映っている。
00:35アート瀬戸内展示作品 青空水族館 https://www.youtube.com/watch?v=ZaRfc0N8pUg#t=35
入所者が暮らしていた建物を「水族館」にした。建物全体が、海賊と人魚の恋物語が塗り込められた「空間絵本」となっている。
最初はこの作品を目当てにやってきた。
01:25ドアノブ https://www.youtube.com/watch?v=ZaRfc0N8pUg#t=85
何の変哲もないドアノブ、
ただそのドアノブにはレバーが付いている。
ハンセン病の重篤化による四肢欠損や神経の萎縮によってドアノブを回すことができない入所者のためにレバーが取り付けられていた。
ここでドアノブを見た時、その意味に気がついた時の感覚を映像でどうにか入れたくて、このシーンはカラーグレーディングのパータンを変えて、陰影をあえて強めた映像にしてみた。
また自分の気持ちが高ぶるのに合わせて音楽に使っている波の音も大きくなっている
01:43解剖台 https://www.youtube.com/watch?v=ZaRfc0N8pUg#t=103
島内で死亡した人を解剖するための解剖台
昭和30年頃まで使用されていた物を瀬戸内国際芸術祭に合わせて海から引き上げられ展示されている。
この映像は特に陰影を強くして影の部分を強調
01:55釣り船 https://www.youtube.com/watch?v=ZaRfc0N8pUg#t=115
当時患者達は島からの移動を厳しく制限されていたが、唯一島の周りでだけこの釣り船に乗っての漁を許されていた。
01:59海賊 https://www.youtube.com/watch?v=ZaRfc0N8pUg#t=121
やさしい美術プロジェクトによる絵本「海賊」田島征三著の一シーン。
最初の人魚のオブジェのところから建物全体が物語になっている。
囚われた人魚を救い出し月へ船は漕ぎだす。
らい予防法によって集められた元患者達は島内で夫婦になった人もいたが、妊娠は許されず断種が行われた。
この海賊の物語の最後は、島民の果たされなかった様々な思いとリンクする。
02:31風の舞 https://www.youtube.com/watch?v=ZaRfc0N8pUg#t=152
火葬後納骨堂に収めた残りの骨を収めている施設。
骨になっても故郷に帰る事が許されなかった思いの中、せめて骨の破片だけでも風に乗って海をわたり故郷に帰りたいとの願いを込められている。
この島から見える景色とその望郷の思いがこの場所には残っている。
自分の中でこの景色に会った時に少し落ち着いた気持ちを、ここの手前ぐらいから音楽の音量を落として表現している。
02:48松 https://www.youtube.com/watch?v=ZaRfc0N8pUg#t=168
青松園の名前の元にもなった松
海岸を覆う松には大昔の屋島源平合戦の伝説が残っていて、源平合戦で死亡した平家の落武者を葬った後に松を植えた伝説があり、実際に松の根本から人骨と刀剣甲冑が出土している。
02:52カフェ・シヨル https://www.youtube.com/watch?v=ZaRfc0N8pUg#t=173
{つながりの家} カフェ・シヨル
やさしい美術プロジェクトは、国立療養所大島青松園で、入所者の人々と交流を深めながら活動している。カフェ・シヨルでは、大島で採れた新鮮な野菜や果物をふんだんに使ったお菓子やドリンクが、大島の土で焼いた器で味わえる。やさしい美術プロジェクト
イベントに合わせて開かれるカフェで、いつでも開いているわけではないのでカレンダーで確認必要
この日は島の銘菓六方焼と島で採れた果物を使ったジュースを頂いて帰った。
最初のシーンでは突然右上からカラスアゲハが飛んできて、後で不思議な気持ちになったカット。
色んな事柄が頭のなかを渦巻いていたけど、ここで一旦頭の中を整理してほっこりした気持ちが映像に出てる気がする。
03:16本棚https://www.youtube.com/watch?v=ZaRfc0N8pUg#t=196
カフェの中を見渡していて目についた果実酒のビンと、その下の段には島の歴史が詰まった本棚。
洒落た雰囲気でありながらも島の存在感を感じたカット。
03:36BGMの音楽を撮影した場所 https://www.youtube.com/watch?v=ZaRfc0N8pUg#t=216
この目の前に見えてるのが最初に船から降りて島の中に入ってきた入り口。
この場所で気がつくのは音楽が流れている事。
この音楽は島中で流れていて、ハンセン病の影響で視力を失った入所者が歩く時の助けになるように流れている。
動画ではこの音楽と岸壁に打ち寄せる波の音を録音して使っている。
正直おしゃれなアンビエントBGMを使ってオシャレな映像作品にすればこれほど淡々とした作品にはならなかったと思うのだけど、どう考えてもこの音楽が自分の中で一番だったので使っている。
最後に
背景を共有してない人がそのまま観ても全く解らない退屈な作品を作った訳ですが、そのまんまじゃつまらないのでここでアホみたいに手間かけて情報を詰め込んでみました。
・・・
こんな感じだけどこのブログも含めて完全に自分のオナニー作品です。
でもまあ、仕事でもないのに自分が満足できない物作って喜べる変態じゃないのでしょうが無いです。
機材
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